木の快適さを科学する4
2013年 7月 25日|
木の床への改装でダニを防除
家庭内のダニによるアレルギー疾患が増加しているが、近年木造住宅に代わり、コンクリート住宅が多くなっ
て 、家 庭内の環境が高温、多湿に偏ってきた事が主要な原因の一つであろうと考えられている。このよう
な住宅建築様式や生活習慣の変化によってヒョウヒダニ類を中心とした屋内塵性ダニ類が急激に増加してき
たわけである。生きているダニをはじめとして、空中に浮遊しやすく吸入されやすいダニの糞や死骸も強いアレ
ルゲンとなり、さらにヒョウヒダニやコナダニをエサとするツメダニが増え、人を刺すことによって健康に影響をも
たらす。
鉄筋コンクリートの集合住宅に住み、ダニの害に悩んでいる家庭において、床を畳及びカーペットからナラ材
を主体とした「木の床」に改装することで、ダニの数がいかなる変化を受けるのか調べた。家族は5人で全員
がかゆみを訴えており、改装前の床上のダニ数は104匹(㎡あたり、8~9月の平均)であった。冬季に「木の
床」へ改装し、その後殺ダニ材剤を用いずに翌年の同時期にダニ数を調べたところ平均23匹に減少していた。
床材を木質材料に 改装することにより、家屋内のダニ数を減少させ得ることが明らかになった。この原因とし
て ・物理的にダニの繁殖に適さなくなったこと・木材の調湿効果により湿度が低く保たれたこと・木材中の香り
成分がダニの行動や繁殖を抑制したことが考えられる。(木と森の快適さを科学する 宮崎良文 著)
ダニの繁殖理由として、高温多湿が最適ということが良く解かった。日中は留守がちになり、高断熱高気密
の住まいはダニにとって最適の住かになってしまうということだと思うが、それを防ぐ手立てとして、木の床
の効用は大いに心強いことです。