木の快適さを科学するダニその2
2013年 6月 17日|
住居内のダニの分布
住居内のダニの分布に関しては、概してソファー、カーペット、布団類、押入れ、畳、板の間の順に多い事が報告されている。湿度あるいは水分量が高く、居住者が長く留まる所に多数存在する。家屋内のダニ数がその湿度と相関している事が明らかになっている。ダニ(ヤケヒョウヒダニ)の平均家屋における、カーペットを使用している場合ののダニ数を調べると、0.5g当り平均658匹であるが、使用していない家では206匹と低い値を示す。またカーペットは畳と比べて3.2倍のダニが検出されている。板の間ではカーペットの0.2倍に減少し、塵の量も同程度に減少する。
建物の垂直分布では、学校の使っての実験では階高が高くなるにつれて、ダニの分布は減少する逆に超高層マンションでは階層の上昇とともに、ダニの数が増加することもある事が知られている。
共通して強く関与している環境因子として湿度条件が重要であると考えられる。
(宮崎良文著)
高温多湿の環境は6月から9月末頃に当るが、この頃の日本の住まいは高断熱、高気密を標榜している住まいが多く、1年中高温多湿にさらされていると言える。木の住まいの快適さは忘れてはならない文化であると思います。
(次回は「木造ならび鉄筋住宅居住者のダニ抗原陽性率」)