市川総合設計室

建築の仕事は人生と同じ出会いの連続です。

プロフィール

市川総合設計室 代表 市川 皓一

  • 東京都知事登録 第35516号
    国土交通大臣登録 一級建築士 第81173号
  • メールアドレス
    info@aohiba.net
    専門領域
    建築設計・監理
    所属団体
    社団法人 日本建築家協会正会員
    NPO 木の建築フォラム
    森林塾 同人
    受賞履歴
    1994年/日本銅センター建築コンクールアイデア賞受賞 茶室(楽庵)
    1995年/千葉の住まいモデル住宅入賞 福島邸(格子ムギワラの家)
    1998年/優良木造施設推奨審査・農林大臣賞 高橋林業土木新社屋(木造施設群3棟)
    著書・論文
    1993年7月 「領域を越えて」共同執筆/日本建築家協会発行
    1996年2月 「ザ・森林塾」 共著
    社会活動
    NPO 森の駅推進協議会幹事
    NPO 目黒まちと住まいの相談室理事
    元気あおもり応援隊メンバー

私が青ヒバの魅力に取りつかれたのは、40年前に手がけたリゾート旅館の客室を10年後に再見し柱の輝きを見たとき、これは只物ではないと気がついた。“時が経てば経つほどキラキラと輝き、何十年、何百年も生き残れる木がある――”。建築家として素材にこだわり、独自の視点を持ちたいと考えていた矢先でした。

調べてみると青森ヒバは弘前城や江戸城、岩手県中尊寺の金色堂など、社寺建築用材として数百年にもわたって風雪に耐えてきた建造物に使われている優れた木材です。それがまさか東京の地下鉄の枕木に利用されているとは、夢にも思いませんでした。
地下鉄は環境条件が悪い。通風が悪く気密状態で、水が湧いているため木は腐りやすくなります。ましてや防腐剤のいやな臭いは問題になります。つまり腐食しにくく耐久性が高く香り良い青森ヒバが盛んに使われていたんです。

しかし、当時青森ヒバは郷土の貴重な現金収入源でもあったんですね。国有林であるため管理も非常に厳しく、市場に出廻りにくく、一般の人が住宅に使用できるものではなかったのです。
今でも地元のお年寄りは、「我々が使っていいのかね」と言われることも。そのぐらい貴重なものだったわけですね。
これは建築家として何かできることがあるのではないかと思いました。天然林から産出され緻密な木肌の美しさと香り、圧倒的な耐久性、生命力――。この木を枕木ではなく、なんとか住宅建材として都会のユーザーにも提供したい。

建て主の方々が本当に求めているものを、適切な価格で供給すること。これは全ての建築に共通する理念です。<青ヒバの会>では、産地を出る価格をきちんと知ってもらい、最短距離で建て主に素材を供給したいという思いで活動を行っています。

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